第一回 瓦ブログ

歴まち研究保存部会では、町並みや景観は基より、屋根の重要性や地域における瓦の特性などを皆様に分かりやすくコラム形式で掲載していきます。
今回は記念すべき第一回の記事です。
普段に何気なく眺めている屋根ですが、近所のお住まいを見渡しただけでも、様々な形、様々な材料が使われていることが分かと思います。
また、グーグルアースなどでは世界中の屋根を眺めることができます。
素敵なデザインのものもあれば、ユニークでかわいらしいものもあります。
屋根の勾配とデザイン
屋根の勾配が緩やかだと雨漏りの危険性が高まる
普段はあまり気にされることはないでしょうが、屋根はその勾配と屋根材によって様々な制約を受けます。
一般的に勾配がきついほど水切れがよく、雨漏りリスクが低減します。
逆にゆるやかだと雨水が流れにくいので、雨漏りの危険性が高まります。
各屋根材は勾配に対する許容値が細かく定められている
各屋根材は勾配に対する許容値が細かく定められています。 使う屋根材の指定勾配をしっかりと確認し、屋根に合わせたものを使うことが大切です。
ゆるやかな場合も水切れの観点から使える屋根材が限られてきます。
ゆるやかな勾配には防水性の高い金属屋根が使われていることがほとんどです。金属の屋根材は防水性が高い、軽い、加工しやすいことから使われることも多くなっています。
軒天が外壁の寿命を決める?
屋根の軒天は広いほうが外壁を長持ちさせる
ほとんどのお住まいでは外壁から張り出している屋根部分があります。この天井部分は軒天と呼ばれており、張り出している部分が狭いお住まいと広いお住まいがあります。この張り出している部分も屋根の形状や素材によってある程度決まっているのですが、広いほうが外壁の寿命を長くできそうです。
広い場合、外壁に日が当たりにくくなりますし、雨のかかる面積も少なくなります。
狭い場合はその逆になりますので、劣化のスピードが早まります。ただし、広いとそれだけ重量が嵩んでしまうので、耐震性については難点となります。
屋根に合った雨樋を
屋根の形状よって1方向に流れる雨水の量が違う
切り妻と寄棟を想像してください。屋根の総面積が同じだとして、雨が降っているとします。より大きな雨樋が必要なのはどちらでしょうか?
答えは切り妻となります。
切り妻は屋根が2面、寄棟は4面です。同じ雨量を2面で受ける場合、4面で受ける場合に較べて排水性能の高い雨樋(大き目)が必要になります。同じ理由で片流れの場合はもっと大きなものが必要となります。
こうした屋根一つとっても、様々な形状があり、また使う屋根材も多種多様なものがあります。ぜひ、屋根材の検討をする際は、お近くのプロの屋根やさんへお気軽にご相談してみてください。